株式会社アイケンジャパン
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2015年01月14日 中島 厚己
アパート経営に興味を持ったら、まず耳にするのが利回りという言葉です。
その利回りには大きく分けて、3つの利回りがあります。
投資利回り、表面利回り、実質利回り。弊社では表面利回りを基本にお客様にご提案しております。
どのようなものかと申しますと、簡単に言えば、年間家賃収入を販売価格で割ったもの。
例えば月の家賃が6万円の部屋が8部屋あれば月額48万円。12か月では576万円の賃収。
それに対して土地建物のセット販売価格が7500万とすれば576万÷7500万=0.0768、よって表面利回りは7.68%となります。
アパート経営を始めるにあたり、賛否ありますが、私は、判断するうえでは一番わかりやすいと思います。
ただし、家賃設定が妥当かどうかが、かなり重要になります。
一番厳しい見方は、実質利回りでの判断となります。
上記の例で話すなら、実際にかかる経費や金利を家賃収入から差し引いて利回りを計算する方法です。
例えば年間管理手数料28.8万円、金融機関への金利負担が100万円、固定資産税が60万円。
その他経費が20万円と仮定すれば、576万円の賃収から全て差し引くと367.2万円となり、7500万で割ると実質利回り4.89%となります。
より固く見積もるにはこの実質利回りでの判断をお勧めします。
表面利回りに比べ3%近く低くなりますが、確実に家賃収入を安定して得られるのであれば、約5%の実質利回りは魅力ある投資と言えます。
今時5%もの投資商品は有りませんから。
いずれにしましても、10年20年と長い投資となる訳ですから、表面利回りや実質利回りでの判断をお勧めします。
今回、私が問題提起したいのは、投資利回りという考え方について。
どういうものかと申しますと、例えば自己資金500万円で7500万のアパートを購入したと仮定します。
25年ローンを組み、毎月の家賃収入からローンの支払い分を差し引いた時の差額賃収が16万円だとします。
年間では192万円。そこから年間管理手数料28.8万円、固定資産税60万円、その他経費20万円を差し引いた、年間賃収83万円とすれば500万円の投資に対して、16.6%の投資利回りとなります。
約6年で自己資金を取り返すことができるという事で、かなりよい条件に感じます。一つの判断材料としては悪くありません。
「その時点で売ればいいですよ」と営業マンに言われれば「なるほど」となりがちです。
ですが、実際には金融機関からの融資を受けた借入金7000万のうち、残債が約5800万円有るため、仲介手数料等を含めますと、最低でも6000万円以上で売却できなければ赤字となります。
又、6年後の時点で家賃の下落が無ければ問題有りませんが、もし2割下落していれば、年間家賃収入が460.8万円となり、中古市場に表面利回り8%で売却したとすれば、5760万円での売却となり、借入残債と仲介手数料193万円を差し引くと、233万円の赤字となります。
それでは売却は無理なので、所有し続けた場合、年間24万円の赤字となります。
自己資金を少なくすればするほど、残債は増えますし、借入年数が長くなればなるほど残債の減り方も鈍ります。
これが現実だと言う事を、お伝えしたく、長い文章になってしまいました。
ですから、いかに競争力のあるお部屋を創るか、最初のプランニングの段階での家賃設定や、間取り、設備、エリア、駅からの距離、建物の仕様等全てを充分検討したうえで、購入を決断しなければ、マラソンで言えば、最初の10キロで息切れして、リタイアせざるを得ない状況になるのです。
もし、営業マンから投資利回りを強調された場合、短期での売却が前提だと穿った見方をして下さい。
長くは入居が持たない事の裏返しだと考えて間違いありません。
あくまでも、私個人が感じる事ですから、絶対ではありませんが、アパート経営は、もっと長い目で見て検討すべきだと思うのです。
今回は、アパート経営に興味を持たれて間もない、初心者のお客様より、利回りの違いが分からないとの相談を受けたので、大雑把な例をあげて説明させて頂きつつ、注意すべき点をお話させて頂きました。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
では、この辺で。