アパート経営を始める際に考えなければいけないことはたくさんありますが、中でも土地の情報を知り、適切な場所にアパートを建てることがアパート経営を成功させるためにとても重要です。
今回は、大手半導体メーカーTSMCの工場誘致で国内外の投資家から注目されている「熊本」について、特性やニーズ、アパート経営の実態をご紹介します。
目次
福岡県に次ぐ九州第二の都市、熊本は九州のほぼ真ん中に位置しています。
県北、県央、県南の大きく3つのエリアに分かれており、県北は「阿蘇」、県央は熊本城もある「熊本市」、県南は「天草」で有名です。エリアごとに雰囲気も違い、海や山の自然と市街地、日本文化とキリスト教文化など、ひとつの県で様々な特徴をもっています。
2011年の九州新幹線・鹿児島ルートの全線開業によって、博多駅ー熊本駅間の所要時間は33分となり、人の移動が大幅に増加しました。温泉県としても人気が高く、日本全国から多くの観光客が訪れる県です。
熊本県の人口は約170万人、熊本市の人口は約73万人です。
人口は減少傾向にある熊本ですが、アパート経営に関していうとおすすめのエリアです。
まず、人口が減少傾向の中、世帯数は増加していることが理由のひとつです。増加している世帯は「単身世帯」、つまり単身入居者をターゲットに据えた物件は、賃貸需要があると言えるでしょう。
そして、「県内就業者数」も増加していることが2つ目の理由です。二次産業もさかんな熊本は、雇用が多く、仕事を求め県外へと出ていく人が少ないという特徴があります。地元離れが少ないということは、賃貸需要があるということです。さらに近年は、関東などの都心部から熊本への移住を選択する方も増えています。
台湾の大手半導体メーカーTSMCが熊本県菊陽町へ工場を進出することは、ニュースでも大きく取り上げられました。TSMCだけでなく、競合メーカーも同じく熊本への工場進出を行いますが、なぜ熊本が選ばれたのでしょうか。
かつて1980年代には、「シリコンアイランド」と称されるほど、多くの半導体関連拠点が熊本県に存在していました。半導体の製造に必要であるきれいな水、広大な土地、そして過去の基盤があることから、熊本に白羽の矢が立ち、シリコンアイランドの復活が期待されているのです。
TSMCの半導体工場誘致がもたらす影響は、短中期でも1.3兆円の経済効果が予想されています。雇用の増加、工場周辺環境の整備、交通機関の拡充、賃金相場の上昇、そして賃貸需要の増加、家賃相場の上昇が期待でき、熊本への恩恵は非常に大きいと考えられます。
実際に熊本では、具体的な計画が多方面にわたり進んでいます。
まず、交通面では菊陽町の工場から空港アクセス鉄道ルートの追加検討が行われています。すでに存在する駅から阿蘇くまもと空港を結ぶルート案や新駅をつくる案もあるようです。これは、工場ができる菊陽町だけの話ではありません。熊本県は県内全域の交通アクセス向上を念頭に置いた検討を行っており、後述する“車社会・熊本”に良い変化が生まれると考えられます。
次に、教育面でも整備が進められており、インターナショナルスクールの新校舎もつくられるようです。さらに熊本市内にある会社や店舗が、菊陽町に支店や新店舗を出したり、移転をするという動きもあり、約1万人以上もの人口増加が予想されるTSMC工場誘致に備え、着々と計画が進められています。
熊本は電車、バスの路線が豊富な県です。
再開発のため閉鎖していた熊本交通センター跡には、バスターミナルを兼ねた大型商業施設「SAKURA MACHI Kumamoto」が2019年にオープンしました。バスのハブターミナルを備え、熊本中心市街地の新スポットとして149の店舗が出店しています。
しかし、熊本は“車社会”です。
一世帯あたりの自動車保有台数は1.59台、感覚としては一世帯あたり2台所有していると言っても大げさではないようです。車社会となる理由には、県内の車移動のしやすさがあげられます。例えば、熊本市から阿蘇までは車で1時間15分程度、熊本市から人吉までは1時間10分程度、熊本市から天草へも2時間程度で行くことができます。車での移動がしやすいことから、マイカー通勤を選び、交通機関に依存せず仕事や住まいを選ぶ方が多いようです。
したがって熊本におけるアパート経営では、駐車場を確保することがベターと言えるでしょう。その分、郊外でも賃貸需要が見込めるという特徴があります。
駐車場を確保すれば、どんな場所でも賃貸需要が見込めるわけではありません。
都心エリアと違い、交通機関に依存しない熊本でのアパート経営でも、エリアの選定は非常に重要です。
おすすめなエリア1つ目は、「コンパクトシティ形成地区」のエリア内であることです。
コンパクトシティとは、中心市街地に人を集め、街の活性化を図るためにつくられた都市政策のことで、エリア内に居住者・公共施設・商業施設・医療施設を集約し、その周辺のインフラを整備していく計画です。将来的に熊本でもコンパクトシティが確立した際に備え、アパート経営を行う土地も、このエリア内を選ぶことが望ましいでしょう。
おすすめなエリア2つ目は、TSMC工場を誘致する菊陽町周辺です。
熊本市から車で30~40分ほどの菊陽町では、今後雇用が増え、人が増え、賃貸物件が増え、そして中には飽和状態になるエリアも出てくるかもしれません。そのことも見越した上で、アパートを建築する土地の選定や建物を企画・提案してくれるパートナを選ぶことが、アパート経営で安定した資産形成を実現するための重要なポイントです。
アイケンジャパン熊本支店では、熊本の特徴や賃貸需要を熟知したスタッフが、一定の基準をクリアした立地のみご提案いたします。熊本でのアパート経営にご興味のある方は、ぜひアイケンジャパンへお気軽にご連絡ください。